敗北宣言

みっともないから言わないけれど
決して口にはしないけど

私はあなたに負けている

「人生って勝ち負けじゃないんじゃないの」

いいえ、人生って勝ち負けでしかないでしょう
市場では競り合いしかしていないし
優秀な人は賞が貰えるこのご時世

あれもそれも勝ち目がないから
違うところを見つけようとするけれど
その時点で負け戦
そんな小さいことを見ているうちに
あの人は もっと大きなことを夢に見ている

同じ位置に立っていると思ってた
突き落すのは 目の前で言われた あの言葉

事実を言っただけの人を少しでも嫌いになってしまったら
その時点で負け戦
こんなところで呆けて立ってるうちに
あの人は もうあんなに先の方まで歩いている

「私には才能がないから」
滑稽な逃げ口上
愚痴を誰かに垂れ流しているうちに
あの人は ただ黙って積み木を重ねていく

夢を もし 打ち明けてみたとしよう
「素晴らしい夢だね」
褒め称え 笑顔でうなずく その意味は
「お前なんかにできるかよ」

知ってるかい
君は君が思うより
みんなは君なんか見てなんかないんだぜ

ごめんなさい
そんなこと知らなくって
今までなんだか夢を見ていたみたい

「最初からそんなに興味なんてなかったし」

好きなものを好きと言えず
愛想笑いで嘘を吐くのは

お前は哀れだ 見苦しい
そう思った時点であなたは勝ち組

私の言う あの人 があなた自身であるだろうと頭をよぎるなら
その時点であなたは勝ち組

カーテンコール
観客は1人しかいない
その1人がいるうちに
せいぜい足掻いてみればいいんじゃない
舞台はいまだに暗いまま

きっと 目先のそれもできない君なんかに
それ以上の事なんかできっこないよ


12/06/12